35年越しのリベンジ

youtubeバンダイチャンネルで配信されていた「機動戦士ガンダムZZ」が最終回を迎えた。この手の配信は、1クール分流したら休止>しばらくしてから再開という流れをとっているので、ここまで観るのに結構時間を取られている。まあ、無料なのだからしょうがない。

実は「ZZ」を通して全話観たのは今回が初めてである。

リアタイ視聴していた頃はおじさん中学生。しかも「Z」最終回に衝撃を受け、「ZZ」序盤のコメディ展開についていけなかったのだ。あわせて、部活動にも勤しんでいたので、それもあり観ていなかったのだ。

序盤で切り捨てたものの、終盤だけは細切れで視聴していたのでラストはわかっていたのだが、そこに至るプロセスがうすぼんやりとしてたので、今回の完走視聴でかなり理解の解像度が上がった。それを踏まえて、今、感想を述べるのならば、

「当時はこんなんガンダムじゃないやい!とか厄介ファンだったけどそこまで悪くないのでは。むしろいいのでは?アレがなければ、だけど」

というところに落ち着いた。

ジュドーらジャンク屋の面々のコミカルさは、あの混迷の時代を生き抜くための強みから生まれたものであることも理解できたし、ネオジオン側キャラクターのコメディリリーフぶりは、かの組織がまだ未成熟である表れともとれる。この細かさを14歳前後のめんどくさい男子が理解できようもないだろう。

話の構造としても前作「Z」よりははるかにわかりやすいし(そのわかりやすさが気に入らなかった14歳おじさん)、奇跡的にストーリーがまとまっている。

惜しいな、と思ったのは、ストーリーの理解しやすさに比べ、設定等の説明不足が結構見受けられることだ。これは「ZZ」制作途中で決定した新規劇場版の影響が大きいのだろう。とはいえ、その未消化の設定が、その後の「宇宙世紀落ち穂拾い」につながってくるので良くもあり悪いところでもある。

14歳の俺よ、「ZZ」を嫌うな。50歳の俺は「いいじゃん」て普通に思えてるぞ。めんどくさい真似はもうやめるんだ、と、時を越えて伝えられるなら伝えてあげたい。そうしたらアレももうちょっと楽しめたのかもしれない。