ひとりでできるけど

東京ゲームショウが始まって終わっていた。
今回の入場者数は2019年時のそれと遜色ない程の数と聞いたので、この手の催しもコロナ禍前の水準に戻ってきたということだろう。油断は禁物、ではあるけれど。
かつてはおじさんも、マメにゲームショウ等に足を運んだものだがさすがにここ20年くらいは控えている。情報やプレイを先行体験したとことで…と考えてしまうのが足が遠のいた理由である。
それはさておき、こういったイベントに行く際、同行者を連れて行くのがどうも大多数の意見のようなのだが、おじさんはほとんどソロで行っている。だって気楽じゃない。
一度、妻とともに幕張まで出向いたことがあったが、相手は自分ほど興味があるわけではなく、なんとなく付き合ってくれただけだった。それはありがたいことだけど、無駄に疲れさせてしまい申し訳なく思った。
では友人を誘うというのはどうか。普通一般の方々ではそうだろうが、おじさんは変なベクトルの面倒くさがりなので、その発想が湧かないのである。
まず待ち合わせが難しい。時間通りに集まれない、のではなく、いちいち待たずに行きたいんだこっちは!なのだ。同行者が早めに来てくれるならまだいいが、そうもなりにくいのは世の常。出発時からイラリとするのはお互いによくない。
次に見たいものがばらけた時の対処だ。会場について各々見たいとこ回って時間が来たら所定の待ち合わせ場所に集合。一見効率良いように見えるが、それならひとりで行くのと変わらなくないか。
同行者がいれば、見終わった後の感想トークが楽しい、というのもまあ、わかるのだけど、「いやー、なんかイマイチだったよ」なんて一言で終わらせられたら感想も何もない。いや、それも感想のひとつではあるのだけど、話終わっちゃうじゃん…ということもしばしばあったりする。人選ミスなのでは?と思われるかもしれないがそこは目を瞑っていただきたい。
おじさんの理想は、自分の好きな時間に行き、自分の好きなペースで見て回り、計画外の何かが起きてもそのハプニングを楽しんで帰る…これに尽きる。他者の介在を許さないわけではない、きっと理解されないし、付き合わせても迷惑だろうという気遣いだ。
小学校五年生くらいの頃、つくば万博なる博覧会が開催された。おじさんはこれに二度行ったが、一回目は茨城に住む親戚と、二回目は一人で行ってきたのだ。
誰かと行けば時間的な制約も人間関係的な制約もあって見たいものを見ることができない。なら一人がいいじゃないか、と思い、ソロでのつくば万博行きを両親に懇願したところ、最初は反対されたが「社会経験」ということで無事許可をもらったのだ。一人つくば万博は寂しさなんてない、むしろ楽しさしかなかった。
このソロ志向は今でも続いていて、時々、一人で何の目的もなくバスに乗って終点で降り、その周辺をぶらついて帰るということをしている。ゲームショウやイベントに行くのもこれと同一線にある。ソロは決して寂しい体験ではない。ひとりでしか見ることができない景色というのも間違いなく存在するのだ。